2009年06月26日

トンボの羽化

 毎朝6時頃に田んぼの水管理を兼ねて田んぼ観察をするのか日課になっているが、早朝は田んぼの生きものたちにとっても一日の始まりなので、昼間は観察できない生態に遭遇することがある。

 今朝は、冬期湛水、不耕起移植栽培1年目の田んぼAで、大量のトンボの羽化現場を目の当たりにすることができた。

 あっちこっちで、トンボの羽化の色々な過程を同時に観察できたのは、生まれて初めての経験である。

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<羽化の準備に入ったヤゴ>

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<ヤゴの殻を割いて羽化し始めたトンボ>

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<羽化し終えた直後のトンボ>

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<朝日を浴びて、体色が変化すると同時に羽も硬くなってきたトンボ>

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<すっかり羽が硬くなり、飛び立つ時を待つトンボたち>

 飛び立つ準備ができたトンボが、このように群れている場所がいくつも観察できた。

 田んぼへの注水を止めるために再び訪れた8時頃には、太陽の日差しも強くなり、羽化したトンボたちもすっかり飛び立つ準備ができたようなので、気配を隠すことなく田んぼの畦を歩いてみた。

 一歩進むと数十匹のトンボがファ〜っと舞い上がる、
さらに、一歩進むと別のトンボたちが十数匹ファ〜と舞い上がる。

 全部で何匹のトンボが羽化したのだろうか、とにかくスゴイ数である。

 今朝のトンボの羽化は、生きものいっぱいの田んぼの不思議な光景の一つとして、感動とともに記憶されることになりそうだ。


 トンボの羽化は冬期湛水だが、代かきした田んぼBで、大量にと言うわけではない羽化が6月半ば頃から10日ほど続いて観察できていた。
 その時、冬期湛水田の田んぼAでトンボの羽化が観察できてないため、疑問に思いつつも、潅漑用水路の補修等で田んぼが干上がったことがあり、その影響でトンボの幼虫が死滅したのではと想像していた。

 しかし、田んぼBで観察したトンボの羽化数とは比較にならないほどの大量の羽化を目の当たりにして、田んぼAを干上がらせてしまった罪の意識が少し和らいだ。

 田んぼBと田んぼAとでトンボの羽化の時期がずれた理由として思い当たるのに、「潅漑用水の温度の違い」がある。
 田んぼAの潅漑用水路には白水方面のわき水が水源になっているが、田んぼBは白川の支流の一つが水源になっていて、田んぼB潅漑用水の水度が1〜2℃高めなので、トンボの幼虫であるヤゴの生育期間に影響を及ぼしたのではと考えている。
posted by アッケン at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 田んぼと田んぼ管理

2009年06月11日

漏水田となった田んぼAと対応策

 田植え直後から気になっていたが、田んぼAの水持ちが悪い。

 つい先日までは、田植えが終わってから、ほぼ毎日、6時頃から8時頃までの約2時間、田んぼに水を入れていた。
 理由は、用水路を流れている水の水温は15度を下回らなかったが、田植え直後の早朝の田んぼの水温は10度前後と用水路の水温より低温だったため、少しでも田んぼの温度を高めるためである。

 と、特に6月に入ってからは、用水路と田んぼの水の水温に差がない日や逆に田んぼの水温が高い日もでてきて、用水路の口を開けない田んぼもでてきた。
 田んぼDは一番水持ちが良く、3日目に水を追加すれば良いほどであるが、田んぼAはほぼ毎日水を追加しないと2日目には干上がってしまう程である。
 去年も水持ちが良いとは言えなかったが、2日間で干上がるほどではなかったのが・・・。
 何がどうなったのかは定かではないが、何れにしても水持ちが悪すぎなのは確かで、対策をこうじることにした。

 シーアイ化学の温水フローを、既に入手していたので、井出から田んぼの畦際に沿って、100メートル程敷設した。

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<田んぼAに設置した温水フロー>

 結果、ビックリである。
 17度弱しかなかった用水路の水が、出口付近では24度まで暖められてるではないか。
 温水フローを敷いた田んぼの畦際の水の熱はそれなりに奪われていることになるが、一番温度の高い水面の熱が奪われている事を考えると問題ないと思う。
 温水フローから10センチメートル離れたところでの水温までは影響しないようで、温水フローの中を流れる冷たい水に熱を奪われている感触はなかった。

温水フロー_02.jpg
<コーナー部に75mmのVUパイプで接続した温水フロー>

 コーナー部には、L字の継ぎ手を使って接続したが、温水フローの長さを畦の辺の長さに調整する手間や継ぎ手の購入費用がかかった割には、きちんと収まらない・・・。
 温水フローは、大きなRになるが、コーナーでは無理なく曲がるので、L字の継ぎ手はいらない!と敷設してみて判明した。
 後日、L字の継ぎ手は撤去する予定である。

 しかし、こんなに大きな効果が得られるとは思ってなかったので、今の心境としては「温水フロー様々」である。

 ただ、田んぼAの水管理が他の田んぼと違って、毎日、田んぼの水が暖かくなる頃に井出を開き、日が傾く頃に井出を閉じることになるが、致し方ないかナ。
posted by アッケン at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 田んぼと田んぼ管理

2009年06月08日

田んぼAの大量のマキガイ(田植え後29日目)

 早朝6時に注水を開始し、8時過ぎに停止する日課が続いている。

 朝夕の冷え込みが続いているので、潅漑水路を流れる水の水温と田んぼの水の水温に大きな差がないどころか、潅漑水路を流れる水の水温が高い日が続いていた。
 しかし、6月に入ってからは田んぼの水の水温が高くなってきたこともあり、注水時間の変更を検討したが、太陽の日差しが強くなってから注水を始めると、午前中の作業を中断して注水を止めに田んぼをまわるか、昼時までの時間をかけて必要な水量を確保するように注水量を調整するか等と悩んだが、結局、これまで通り、早朝に必要な水量を確保することにした。

 只、漏水田と化してしまった田んぼAは、毎日のように注水が必要なために、注水口周辺のイネは生育が遅れている。
 快晴の日は蒸発による減水も加わるので、漏水田の田んぼAの水位は干上がる寸前まで水が減り、注水を開始する頃には水深0ミリになったりする。

 そんな田んぼAは今朝も水位0ミリになっていた。

 そんな中、異様にサカマキガイが目立つことに気がついた。

 水がほとんどなくなった田んぼの土の上に張り付いた状態のアミミドロの上で、大量のサカマキガイとヒメアライガイが固まっている。

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<田んぼA一面に大量に生息するサカマキガイとヒメアライガイ>

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<ズームアップしたコーナー部のサカマキガイとヒメアライガイ>

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<更にズームアップしたコーナー部のサカマキガイとヒメアライガイ>

 彼らが生息しているのを知っていたが、こんなに大量に生息しているとは・・・。

 調べてみたら、サカマキガイもヒメアライガイもヘイケボタルの餌になるようだ。
 田んぼのホタルと言われるヘイケボタルが生息できる環境が、早くも整ったことを確信した。
posted by アッケン at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 田んぼと田んぼ管理