今朝は、冬期湛水、不耕起移植栽培1年目の田んぼAで、大量のトンボの羽化現場を目の当たりにすることができた。
あっちこっちで、トンボの羽化の色々な過程を同時に観察できたのは、生まれて初めての経験である。

<羽化の準備に入ったヤゴ>

<ヤゴの殻を割いて羽化し始めたトンボ>

<羽化し終えた直後のトンボ>

<朝日を浴びて、体色が変化すると同時に羽も硬くなってきたトンボ>

<すっかり羽が硬くなり、飛び立つ時を待つトンボたち>
飛び立つ準備ができたトンボが、このように群れている場所がいくつも観察できた。
田んぼへの注水を止めるために再び訪れた8時頃には、太陽の日差しも強くなり、羽化したトンボたちもすっかり飛び立つ準備ができたようなので、気配を隠すことなく田んぼの畦を歩いてみた。
一歩進むと数十匹のトンボがファ〜っと舞い上がる、
さらに、一歩進むと別のトンボたちが十数匹ファ〜と舞い上がる。
全部で何匹のトンボが羽化したのだろうか、とにかくスゴイ数である。
今朝のトンボの羽化は、生きものいっぱいの田んぼの不思議な光景の一つとして、感動とともに記憶されることになりそうだ。
トンボの羽化は冬期湛水だが、代かきした田んぼBで、大量にと言うわけではない羽化が6月半ば頃から10日ほど続いて観察できていた。
その時、冬期湛水田の田んぼAでトンボの羽化が観察できてないため、疑問に思いつつも、潅漑用水路の補修等で田んぼが干上がったことがあり、その影響でトンボの幼虫が死滅したのではと想像していた。
しかし、田んぼBで観察したトンボの羽化数とは比較にならないほどの大量の羽化を目の当たりにして、田んぼAを干上がらせてしまった罪の意識が少し和らいだ。
田んぼBと田んぼAとでトンボの羽化の時期がずれた理由として思い当たるのに、「潅漑用水の温度の違い」がある。
田んぼAの潅漑用水路には白水方面のわき水が水源になっているが、田んぼBは白川の支流の一つが水源になっていて、田んぼB潅漑用水の水度が1〜2℃高めなので、トンボの幼虫であるヤゴの生育期間に影響を及ぼしたのではと考えている。