
今回の苗つくりで目立つ苗が写真の下側の苗(B苗)である。
第2葉期の理想的な草丈は5〜8cmとなっているのに対して、第2葉鞘の丈が5cm、第2葉の葉の長さが7cmと茎が細く、葉鞘も葉も長くなっている。
どちらかと言えば、高温環境で生長させた稚苗の苗姿に近く、弱々しい苗に見えてしまう。
稚苗との違いは、草丈が半分程度にとどまっている点である。
温度管理の怠慢が理想の苗とはほど遠い苗をつくる事を、脳裏に深く刻み込んでおこう。
上側の苗(A苗)は、第1葉鞘の丈が4cm、第2葉の葉の長さが4cmで、草丈が8cmと理想の苗の草丈ギリギリにとどまっているが、第1葉鞘の丈が2.5cm、第1葉の葉の長さが1.5cmと、葉鞘の丈が長く、葉の長さが短い。
この苗を客観的に評価すると、「昼温が最高気温を上回ったために第1葉鞘の丈が伸び、夜温が最低温度を下回ったために第1葉の葉の長さが短くなっている」となる。
この状態で、胚乳がどれほど残っているか、A苗の籾殻を剥いでみた。

右側の白いものは玄米の果皮で、中は空っぽである。
根元には残りの胚乳がぶら下がっているが、この苗をしばらく放置したところ、水分が蒸発しとても小さくなったことを考え合わせると、栄養分としては本当に少ししか残ってなかったようだ。
この状態は、細長く生長したB苗でも同様であった。
A苗は第3葉が顔をだしていたが、B苗は第3葉が確認できなかったため、B苗を分解してみた。

第3葉は4cmまで生長していた。
第2葉鞘の丈が5cmなので、明日には第3葉が顔を出すのを観察できるようだ。
ちなみに、写真は右から順に、鞘葉、不完全葉、第1葉&第1葉鞘、第2葉&第2葉鞘、第3様&第3葉鞘である。