そのため、育苗期の温度管理は気が抜けない。
今朝の外気温は氷点下2度まで下がったが、苗床の温度は10度を下回ることなく朝を迎えられた。
しかし、ハウスの中の気温はかなり低めである(おそらく5度前後か!?)。
6時頃は陽の光があたりを照らし始めるが、外気温が氷点下2度では暖かさを感じられない。
8時頃にもなると陽の光は力強さを増し、外気温が上昇していることを感じさせる程になる。
力強さを増し、外気温を2度まで高めた陽の光は、ハウスの中の気温を床土の温度よりも高くする。
今朝の8時過ぎのハウス内の気温と床土付近の温度(種籾付近の温度は10.3℃)

今日は陽の光が強さを増すことを予感できるし、晴れて、気温が高くなると予報されているので、この温度状態を機に今日の温度管理作業の始まりとなる。
寒さ対策で苗床を覆っていたシートを剥がし、遮光ネカーテンを引き寄せ、苗に直射日光のシャワーを浴びてもらう(この時間帯は、太陽の光を直接浴びさせられる貴重な時間なのである)。
しかし、陽の光は分単位で強さを増すため、直射日光を当てられる時間は1時間弱と短い。
力強さ増してきた陽の光を直接あてていると、ハウスの中の温度は一気に上昇を始め、それにつられて床土の温度も高くなる。
今朝の8時50分頃のハウスの気温と床土付近の温度(種籾付近の温度は13.1℃)

直ぐに、遮光カーテン(遮光率75%)を張り、光量を減光することで、気温上昇を抑えることになる。
遮光カーテンを張ると、ハウス内の気温は床土の温度程度に下がるが、その後、ハウス内の気温と床土の温度が緩やかに上昇し、低温育苗に最適な温度帯で推移するようになる。
その間、風が横に吹き抜けられるようにハウスの両サイドを開き、暖まった空気が逃げられるように天井を開きながらの温度管理作業を行うが、どれほど開くかは風の強さや方向に左右されるので温度計と相談しつつ開閉することになる。
ここで綴った温度管理は、陽の光のエネルギーが強い九州ならではである。陽の光を直接、浴び続けると、床土はやがて温度計が示す温度に近づくため、光量を制限し、床土の温度が上昇するのを抑えている。