2013年03月19日

糸状菌が発生した

 プール育苗前の育苗期は、畑と同じ環境、昼間は気温が高めの環境、夜温を確保するためのシートで覆った状態では湿度も高めの環境と、苗のスムーズな生育を促すが、好気性の菌にとっても繁殖しやすい環境である。

 と、危惧していた好気性の菌(糸状菌)が、とうとう発生した。

糸状菌_01_480x270_wcr.jpg


 好気性の菌の活動を抑えるには水攻め(プール化)に勝る策はないが、水攻めするにはまだ早い・・・。

 糸状菌がこれ以上繁殖するのを防ぐため繁殖応急処置として、食用の氷酢酸を薄めた水溶液を灌水した。

 この対応策は酸性土壌を好む稲、酸性環境では繁殖が抑制される糸状菌の関係を利用する育苗期の糸状菌対処策の一つである。
 これ以外に、種籾の病菌の活動を抑える目的で使った酵素培養液を灌水する方法もあるが、今回は、久々に氷酢酸を使ってみた。


 この処置で数日の時間を稼げれば、第2葉が展開しプール育苗に移行できるのだが・・・。

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2013年03月18日

1.5葉期に入った

 昨日(03/17)は最低気温が氷点下あたりまで下がったが、ハウスの苗床の温度は12℃を確保することができた。いつものように、覆いを取るなどの温度管理を8時頃から始める。昼頃から曇り始め、時折、小雨がぱらつき、午後2時頃にはハウスの気温も下がり始めたたので、保温用のシートで覆った。

 また、早朝(5時頃)に浸種中のヒノヒカリの種籾の水替えを行った。先月の14日から浸種を開始したので、今日で、32日目になるが、もう10日ほど冷水に浸すことにする。
 昨年のヒノヒカリは発芽率が悪かったり、催芽の芽揃いに幅が合ったことに加えて、今年の種籾も昨年同様に1.15の塩水選での選別ができなかったなどから、種籾の質が劣化していると判断している。
 種籾の質の劣化(=生育した天候環境の不良)は休眠ホルモン、アブシジン酸の量に影響するため、今年のヒノヒカリの種籾の浸種期間を特に長くしたい理由がある。
 
 日は変わって。

 昨日からの大陸性の低気圧の通過に伴って、太平洋側からの暖かい空気が吹き込んだため、最低気温は8℃と暖かい朝を迎えた。
 曇り空で陽の光は差さないが、外気温もハウス内の気温も15℃と暖かいため、8時には覆いを取り、遮光カーテンを開けた。

第1.5葉期_01_480x270_wcr.jpg


 昨日あたりから、いわゆる、1.5葉期に入っている。

 生長の比較には、03月10日の苗の写真と比べると一目瞭然だが、1本、1本の苗を見てみると順調な生育ではないことがわかる。

第1.5葉期_02_480x270_wcr.jpg


 今年の苗は鞘葉部が太い苗に細い苗、第1葉が適度に長い苗と短い苗、予想以上(90%)に発芽率が悪いのではと思わせる状態など、苗のできは今一の気がしている。

 育苗初期の温度管理がおおざっぱだったせいかもしれないが、第2葉が開き終わったらレビューするとしよう。

 覆いを取り払った直後から、雨が降り始め、時間が経つにつれ雨脚は激しさを増してきた。
 風が強くなり、雨は横殴りの状態となり、南、北、東側の窓ガラスを雨水が覆い、窓からの景色が観れない程になる。

 春の嵐である。

 「またか〜・・・」の気分に襲われる。温度は上がりそうになく、このまま夜を迎えると最低気温を維持するのは難しくなると思われるため、石油ストーブのスイッチを入れた。
 4時間ほどで、苗床の温度は20℃まで上昇させることができ、安心していたら、雲の隙間から陽の光が注がれてきた。数分でハウスの気温は4度も上昇、太陽のエネルギーの凄さを実感した。

 空は相変わらず雲に覆われ、ハウス内の気温が下がり始めたため、午後3時にはシートで覆いを保つことにした。結局、今日はハウスを開くことはなかった。



 当初の予定では今週末には第2葉が展開し終わり、プール育苗期に移行するはずである。

 田んぼでのプール育苗に備えて、プール育苗予定地の整備に波板での囲い作業を急がなければ!


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2013年03月16日

2葉目が展開し始めた(灌水と施肥と)

 2葉目が展開し始めた。

第1葉期_08_480x270_wcr.jpg


 だが、床土の水分量が心許ない苗箱が出始めているので、灌水を兼ねた施肥を実施することにした。

 「灌水」からはジョウロをイメージすると思うが、施肥も兼ねるので施肥量を意識しなければならず、灌水ムラがあってもならずと難しいため、昨年から、液肥を薄めたプールに浸す方法で灌水している(ジョウロでの灌水ムラをなくすには相応の経験が必要な技術であるが、稲つくりではこの時期だけになるので、難しいと判断)。

第1葉期_09_480x270_wcr.jpg


 この方法だと、1箱に消費される水分量が1.5リットル弱とほぼ定量的で、1.5リットルに含ませる肥料成分を加減でき、施肥量が均一化が計れることに加えて、灌水のムラもなくせるのである。

 たが、この方法は面倒だし、腰には優しい方法とは言えないが、下記の点から今年も来年も実施することになると思う。ただ、年齢を重ね、体力が衰えたときのことや苗箱数が1,000枚とかでも対応できる方法を考えておく必要がある。

  (1) 灌水ムラがでて部分的に灌水し続けることにならない
  (2) 肥料成分にムラが出て苗の生長に差が出て後悔することにならない

第1葉期_10_480x270_wcr.jpg


 水分が苗箱の表面に毛細管現象でしみ出る様子を撮ろうとしていたら、苗箱が沈み始めた・・・。


 ちなみに、156枚の苗箱の灌水&施肥作業は、9時から始まって13時過ぎまでかかった。

メモ:やはり、ブルーシート2枚重ねの方が保温力は2℃前後高いと思われるが、外気温やハウスを閉めた時の苗床の温度との関係もあるので、暫く、「ブルーシート2枚重ねによる夜温の保温力」の面から見てみることにする。

 
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