了解は後日取ることにして、この田んぼを「地下水を守るん田”」の比較対象モデル田にすることにした。
この田んぼの場合、@キリワラが絨毯のように敷き詰めていること、A秋起こしすることなく水を張ることの2つの田んぼ管理が、耕さない田んぼのイネつくりの田んぼ管理により近いためである。
幾つか見て回った「地下水を守るん田”」は、イナワラを牛の餌として持ち出していたり、秋起こしが行われた後に水が張られていた。
耕さない田んぼには生きものがいっぱい生息するとは言っても、寒い冬の間は田んぼの生きものの活動を観察するのは難しいことに加え、冬の渡り鳥であるコガモ達は、水の張ってある田んぼであれば、どの田んぼでも観られたりするので、違いは「生きものがいっぱい」などと言っても説得力に欠ける。
そんな背景もあって、比較対象の「地下水を守るん田”」のモデル田んぼを観察していて気が付いたのが、イナワラに覆い被さる土の量である。

<左:耕さない田んぼ、右:「地下水を守るん田”」のモデル田>
左の写真は耕さない田んぼ歴4年目の田んぼ、右側の写真は「地下水を守るん田”」のモデル田で、二度目の冬を迎えている田んぼである。左写真のイナワラは土でほぼ覆われているが、右の写真のイナワラは、イナワラ分解が始まっていているが、土が覆い被さっていない。
これは、イトミミズやユスリカなどの土壌生物が多い田んぼと少ない田んぼの違いと考えている。
耕さない田んぼでは、これまでの経験から日を重ねるにつけ、益々、イナワラに覆い被さる土の量が多くなり、絨毯のように敷き詰められたイナワラが見えなくなるほどになるが、「『地下水を守るん田”』の田んぼではどう変化するのか・・・。
それまでの様子を記録することで、「耕さない田んぼ」と「『地下水を守るん田”』の田んぼ」の違いを説明する材料の一つになるような気がしてきた。