2012年01月11日

「地下水を守るん田”」と異なる点(1)

 近くの「地下水を守るん田”」を始めた田んぼは、稲刈り時と夏の中干しの時期に水を落とした以外は水を張っている。

 了解は後日取ることにして、この田んぼを「地下水を守るん田”」の比較対象モデル田にすることにした。

 この田んぼの場合、@キリワラが絨毯のように敷き詰めていること、A秋起こしすることなく水を張ることの2つの田んぼ管理が、耕さない田んぼのイネつくりの田んぼ管理により近いためである。
 幾つか見て回った「地下水を守るん田”」は、イナワラを牛の餌として持ち出していたり、秋起こしが行われた後に水が張られていた。

 耕さない田んぼには生きものがいっぱい生息するとは言っても、寒い冬の間は田んぼの生きものの活動を観察するのは難しいことに加え、冬の渡り鳥であるコガモ達は、水の張ってある田んぼであれば、どの田んぼでも観られたりするので、違いは「生きものがいっぱい」などと言っても説得力に欠ける。

 そんな背景もあって、比較対象の「地下水を守るん田”」のモデル田んぼを観察していて気が付いたのが、イナワラに覆い被さる土の量である。

土壌生物の活動痕_960x270.jpg
<左:耕さない田んぼ、右:「地下水を守るん田”」のモデル田>

 左の写真は耕さない田んぼ歴4年目の田んぼ、右側の写真は「地下水を守るん田”」のモデル田で、二度目の冬を迎えている田んぼである。左写真のイナワラは土でほぼ覆われているが、右の写真のイナワラは、イナワラ分解が始まっていているが、土が覆い被さっていない。

 これは、イトミミズやユスリカなどの土壌生物が多い田んぼと少ない田んぼの違いと考えている。

 耕さない田んぼでは、これまでの経験から日を重ねるにつけ、益々、イナワラに覆い被さる土の量が多くなり、絨毯のように敷き詰められたイナワラが見えなくなるほどになるが、「『地下水を守るん田”』の田んぼではどう変化するのか・・・。

 それまでの様子を記録することで、「耕さない田んぼ」と「『地下水を守るん田”』の田んぼ」の違いを説明する材料の一つになるような気がしてきた。
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2012年01月09日

「地下水を守るん田”」

 昨年から南阿蘇のいくつかの田んぼに立ち始めた看板がある。

地下水を守るん田”.480x270.jpg
<「地下水を守るん田”」の看板>

 詳しくは、南阿蘇村地産地消推進協議会を参照して貰うとして。

 
「地下水を守るん田”」 プロジェクトの影響か、去年の冬よりも水の張られた田んぼが増えてきた。

 そのプロジェクトの規約では、10ヶ月間、水を張ることが義務づけられているようで、一見すると、耕さない田んぼのイネつくり(冬期湛水・不耕起栽培)と酷似しているのである。

 そのためか、「耕さない田んぼのイネつくり」も「地下水を守るん田”」プロジェクトと同一視されたり、何が違うん?と質問されたりと、妙な空気が漂い始めている。

 さて、さて、クドクドと説明する訳にもいかず、かといって、一見すると酷似している状態では比較して違いを指摘するのも難しい。

 で、気が付く度に違いをまとめていくうちに、ブラッシュアップできるのではとの思いで、『「地下水を守るん田”」と異なる点』と題してアップすることにした。

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2012年01月07日

アオミドロ

 1月4日に掲載した藻の写真は反射光が邪魔して、具体的に藻を確認できなかった。

 で、偏光フィルターを装着可能なデジタル一眼レフで撮影してみた。

アオミドロ(1)_480x270.jpg
<土の表面から湧くように繁殖するアオミドロ>

 今朝も気温が氷点下を下回った。先月の中旬あたりから、最低気温は氷点下、最高気温は10℃以下を記録していて、冬らしい日が続いているが、そんな真冬の環境でも、田んぼの生きものは活動しているようだ。

 アオミドロの発生し始めは下の写真のように心もとないほどであるが、新たな藻体が顔を出しながら、それぞれの藻体が少しずつ生長を積み重ね、大きな藻の塊へと変化するのである。

アオミドロ(2)_480x270.jpg
<アオミドロの発生し始めの頃>

 「アオミドロ」と断定しているが、「サヤミドロ」かも知れないと思いつつの状態、100%の自信は・・・。

アオミドロ(4)_480x270.jpg
<採取したアオミドロのマクロ撮影>

 まだ、藻の個体が小さいこともあるが、「ヌメリがあるようでない」こと、下の写真のような部分までは観察できるのだが、それ以上詳しく観察するためには顕微鏡とかが必要なので、彼らが大きく生長するのを待ってから判定することにしよう。

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