ハウスの中でシルバーシートに覆われた苗は10℃以下になることはなかったが、シルバーシートの表面温度は6℃とハウス内も冷えた朝を迎えた。
様子を見ることにした苗は、ますます、萎んでいた。
<水分不足からか、ますます萎んだ苗>
<18日に灌水した苗:左と17日に灌水した苗:右>
左の苗は溢泌現象が観察でき、右の苗は葉が丸く萎んでいる。
1日の差で、ここまで違うことになるとは・・・。
<ますます萎んだ観察用の苗>
「水分不足が原因で苗の芯まで萎んでしまうと、水分を与えようが有機肥料を与えようが苗の生長は止まってしまう」、「生長を促すには、尿素を投与するしかない」と言っていた、菊池の松野さんの忠告が脳裏を過ぎる。
「化学肥料は使ってない」と公言していることもあり、尿素の利用は絶対に避けたい。
何れにしても、外気温が10℃を上回る8時頃から、プール育苗に入る前に養分補給する計画を前倒しにして、養分を含んだ水分を補給することにした。
17日や18日と同様に毛細管現象を利用して水分と養分補給するが、吸い上がらない・・・。
以前は、溶液に浸してから20秒ほどで、吸い上げられた溶液が覆土に染み出たが、今日は、覆土に染み出るのに2分以上もの間、浸して間やっとである。しかも、それが全体に行き渡らないし、溶液の減少がわずかである。
<溶液に浸すが、吸い上がらない・・・>
この状態を考えるに、苗床に水分は十分なのではないか?
やはり、ムレ苗になっている可能性が高いと判断せざるを得ないようだ。
残された選択肢であるプール育苗への移行の準備に切り替えることにして、如雨露による養分を含んだ水分を灌水することにした。
窒素成分が0.8g含まれるようにした溶液を1箱当たり約1リットルを灌水する。
溶液の苗床への吸着を促すため、育苗箱の表面が乾くのを待つことにした。
昼過ぎ、灌水した苗を観察したところ、萎んでいた苗たちが、葉を開いている。
<萎んでいた葉を開いた観察用の苗>
これは、正常なのか・・・。
ムレ苗の場合、根が寒さでやられているので水分を吸い上げることが出来ないはず。
萎んでいた葉が開いたと言うことは、水分を吸い上げていることになり、根は生きていることになる。
あら、ら、ら、ら。
また、理解できない。
この苗がどのような生長を見せるのか観察することにして、プール育苗を明日以降に実施することにした。
播種の時期を変更することで起きる未経験の現象は精神的に・・・。