2010年03月16日

2010年の催芽

 種子消毒用の酵素の培養に約2日ほど要した後、種子消毒および催芽に適した温度になるまで待ち、いよいよ、催芽である。

 不耕起栽培の苗つくりは「低温育苗」にこだわるので、催芽温度は催芽機のヒータの温度計で23℃(棒温度計で平均22℃)の温度で行った。
 通常の催芽温度が約32℃と高温なこともあり催芽時間も短くてすむが、低温育苗の場合は約2日間の時間をかけて行うことになる。

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<3月14日8時、催芽開始>

 昨年は、催芽温度は催芽機のヒータの温度計で25℃に設定したこともあり、想定していた時間よりも早めに終了し、同時に行われている種子消毒の効果が得られているか不安な点が反省材料になった。
 そのため、今年の催芽温度は23℃にして、種子消毒の時間を有る程度長く確保することにした。

 また、温度を低くした分だけ、催芽時間が余計にかかりすぎるのも後々の作業に影響するので、催芽を早める効果があると報告されているおまじないの酵素の液体をいれてみた。

 催芽を開始してからやく24時間経過した頃、まず、「こしひかり」の芽が動きだのを確認した。
 今年も早い!、しかも温度を下げたのに・・・。

 さ〜て、種籾の何割が動いた時に催芽は終了するのか?

 疑問。

 去年は?、気が付いたら予想以上に早く催芽が進んでいたので、慌てて終了したため、参考にならない・・・。

 結局、岩澤先生に相談した結果、種籾の6割から7割の芽が動いたと思えるあたりを終了の時期とすることにした。

 芽が早めに動いた「こしひかり」は、夜中に催芽終了の可能性があったため、3〜4時間毎に確認したが、結局、催芽を終えたのは、翌日3月16日の13時頃になった。
 催芽開始から約54時間後で、結局、ほぼ予定していた時間となった。

 催芽に時間がかかると思われた「ひのひかり」は、追い上げ型なのか「こしひかり」の催芽終了の頃には芽が動いていたので、ほぼ同時に催芽を終了させた。

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<催芽直後の種籾の状態:その1>

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<催芽後の種籾の状態:その2>

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<催芽の状態のめあすとして>


 去年もそうだったが、今年も催芽時間が短かったようだ。
 今年も全国から短かった旨の報告がされているとのことなのだが、2年続けて催芽時間が早まっていることを、どうとらまえるべきか悩むところである。
 「種籾が自然環境に呼応して生長を急いでいる」とのコメントだけで、片付けて良いものかどうか・・・。

 気になる点として、「こしひかり」は前半暴走気味に芽が動くのが早く、後半は失速するように芽が動いたのに対して、「ひのひかり」は暴走することなくマニュアルに記載されているような催芽の経緯が見られ、種の違いとは言え違和感のある対照性を感じた。
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2010年03月15日

必要な土の量は!?

 「床土」と「覆土」。

 苗箱には、まず、床土と呼ばれる土が25ミリメートル程入り、その上に種籾が蒔かれ、更にに覆土と呼ばれる厚さ2〜3ミリメートル程の土で種籾を覆う。

 床土には肥料が入った土を使うのが一般的である。

 が、化学肥料は使いたくないし、有機肥料は管理を誤るとカビなどの菌が蔓延し、種籾のエネルギーが削がれかねないこともあり、「焼土」と呼ばれる300℃〜500℃の高温で殺菌された覆土用の土を「床土」にも「覆土」にも使っている。

 エッ!?、栄養分はなくてもいいの?

 イネの苗は、2.5葉までは種籾の中に蓄えられているエネルギーで生長するらしく、言い換えると、2.5葉までは床土に栄養分がなくとも育つことになる。
 種籾の播種から数日間は比較的高温の環境(過保護にならない程度)で育てられるのだが、苗のエネルギーを奪うようなカビなどの菌にも適した環境になる。
 その様な背景から、2.5葉までの期間、カビなどの菌が発生しないようにするために有機肥料さえ入れずに苗つくりをしている。

 2.5葉以降は栄養分が足りなくなるので、2葉目が出揃った頃に有機肥料を散布する。
 しかし、その頃には比較的高温環境どころか、逆に比較的低温の環境で苗の生長を促すことになるのと、2.5〜3.0葉の頃にはプール育苗に移行することもあり、カビなどの菌の心配はなくなる。

 前置きが長くなったが、用意した床土と覆土に使う焼土の量は足りているのか確認するのに、1箱当たりの使用量を計量した。

焼土_01.jpg
<1箱当たり消費する焼土の重量は、約3.32Kg>

 こぼれたりすることも考えて、1箱あたり3.5Kgを使うとして、1袋20Kgの焼土からは5箱の苗箱を作れることになる。

 去年は、1袋あたり4箱と計算してしまい大量に焼土が余ってしまったので、今年は最小限にするためにも計量し記録を残すことにした。

 今年も、234枚の苗を作る予定なので、20Kg入りの焼土を45袋(予備としての4袋も含む)もあれば足りることになる。
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2010年03月12日

プール育苗用ハウスの地均し

 葉県香取市の藤崎農場のプール育苗のパイプハウスを真似て、
昨年作った。

 水平器を使ってきちっと地均ししたつもりであったが、
水を張ってみると高低差が3センチ以上もあり、
プール育苗の水深調整で苦労した。
 地均しの方法を改めて確認したところ、
ナミイタでハウス内を囲み水を入れて高低差を無くしたとのこと。

 同じく真似て、高低差を小さくすることにした。

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<ナミイタをハウスの内側に設置し始める>

ハウスの地均し_02.jpg
<ナミイタをハウス内に張り巡らした>

ハウスの地均し_03.jpg
<水平器としての水を入れ始める>

 水の流れを見ていると、去年のプール育苗で水深が浅かった場所と育苗箱のしたに下駄を履かせた場所が思い出された。

 この後、高い場所の土砂を削り浅い場所に移動する作業を実施。

 外気温が10℃前後でも、ハウスの中は熱く、ハウスを開放しての
作業が仇になり、手前は低く奥は高くなってしまった。
 水平器のはずの水が風の影響で水平になってなかったorz

 結局、ハウスを閉め切っての地均しとなり、大汗をかいてしまった。

ハウスの地均し_04.jpg
<ほぼ均等にすることができたハウス>

 土砂の移動を二度もする羽目になったが、
昨年のように苗の生長への気苦労をしなくてすむのかと思うと、
小さな達成感が得られて晴れ晴れとした気分になった。
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